ビートルズの名プロデューサーとして知られたジョージ・マーティンが90歳で逝去したことが報じられたのは、2016年のことでした。
『ラバーソウル』所収の「イン・マイ・ライフ」におけるバロック音楽風のピアノソロは、ジョージ・マーティンが演奏しているというのは、ビートルズ好きなら誰でも知っていること。
私は、ビートルズの曲を聴き返すことはめったにないのですが、ビートルズ元メンバー四人(ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スター)のソロ作品は、今でもよく聴いています。
有名歌手によるカバーバージョンとあわせて、あらためてビートルズメンバーのソロ作品を聴いてみませんか?
John Lennon / Jealous Guy
「ジェラス・ガイ」は、アルバム『イマジン』(1971)所収の美しいバラード。
こちらは、ダニー・ハサウェイによるカバーバージョン。これも名盤の誉れ高い一枚です。
ハサウェイは、見た目はファンキーですけど、ちょっとジャジーなムードも漂う、洗練されたボーカルスタイルの持ち主です。
じつをいうと私自身は、ジョンのオリジナルより、ハサウェイのカバーのほうをよく聴いています。
ジョンがカムバック直後に凶弾に斃れたことは周知のとおりですが、D・ハサウェイもその前年に33歳の若さで非業の死を遂げていたのでした。
Paul McCartney / My Love
「マイ・ラブ」は、ポール・マッカートニー&ウイングスの二枚目のアルバム『レッド・ローズ・スピードウェイ』所収の一曲。
いかにもポールらしい、甘いバラードで、商業的にも成功をおさめました。
こちらは、サリナ・ジョーンズによるカバーバージョン。
この頃からサリナは、パワフルな歌唱から、ソフト&メロウ路線に転換したような気がします。そしてそれは正しかった。
George Harrison / Love Comes To Everyone(愛はすべての人に)
「愛はすべての人に」は、アルバム『慈愛の輝き』からのシングルカット曲。いまでもよく聴いています。
発売当時はあまり話題とならなかった記憶がありますが、今日ではジョージの代表作のひとつに数えられているようです。
いぶし銀のかがやき。ジョージその人を体現したような曲ですね。
こちらは、親友であったエリック・クラプトンによるカバーバージョン。
愛妻パティがエリックのもとに走っても、彼らの友情にヒビが入ることはなかったようです。
1991年の来日公演でも、エリック・クラプトンがバッキングを務めましたよね。
Ringo Starr / It Don’t Come Easy(明日への願い)
「明日への願い」は、リンゴ・スターがビートルズ解散後発表した初のソロ・シングル。
リンゴ自身が書いたカッコいい曲ですが、カントリー/トラディショナル系の楽曲を好むリンゴにしては、ちょっと「らしくない」感じもします。
この曲が、もしジョージのアルバムに収録されていたなら、ストンと腑に落ちるところですが、その実、ジョージのプロデュースにより制作されたのでした。
カバーバージョンは、適切なものが見当たりませんでした。
あなたのごひいきは4人のうち誰でしょうか。
私自身は、ジョージ・ハリスンとジョン・レノンのソロ作品をいちばん聴いたなあ。
33 1/3とか。