地盤の状態をどう把握するか?

相次ぐ地震災害を契機に、建物の耐震強度とともに、地盤に対する意識と関心が強まりつつあります。

地盤といえば、マンション杭打ち偽装事件も記憶にあたらしいところです(詳しいことはわかりませんが、杭工事の前段階として施工する試験杭も、建物の四隅とその対角線上に打って目には見えない地盤の状態を概略把握するのが基本であり、すべての杭が試験杭によって把握した支持地盤の状態にあてはまるわけではなかろう、と見当はつきます)。

ところで不動産鑑定評価基準は、土地の個別的要因のひとつとして「地質、地盤等」を挙げ、これらについて把握分析し、価格に対する影響を判定することが求めています。

不動産鑑定士が「地質、地盤等」にアプローチする手段は限られますが、公表されたボーリング柱状図(標準貫入試験の結果を示す土質柱状図をいい、硬軟の度合いはN値とよばれる係数であらわされる)等が地盤の状態を判断する手がかりになることがあります(注)。

(注)私見ですが、資料で対象不動産たる土地の土質が砂質シルトだとか、礫混じりシルトだとかがわかったとして、それによって地盤の状態を判断できることはほとんどないと思います。不動産鑑定評価書には、かかる調査の結果を虚心に示すにとどめるべきで、その結果に基いて地盤の硬軟や基礎工事内容の想定を軽率に行うべきではないと考えます。殊に、杭基礎についてはボーリング調査に基づいた構造設計者の判断によるほかないのであって、N値が20(地耐力20トンをあらわす)だからどうだ、ということは軽々にいえません(支持杭を用いるか、摩擦杭を使うかによっても支持層は変わります)。もちろん、ごく浅い位置にN値50の地層が厚い層厚で横たわっていれば地盤は強固だと判断するでしょうが…。

中央開発株式会社が提供している「地盤情報ナビ」は、地盤情報(ここではボーリングデータと地形区分図を示します)と地盤リスクに関する情報(ここでは震度分布図、液状化危険度マップ等を示します)の配信サービスです。

下図は、「地盤情報ナビ」で大分市中心部附近の地図を表示したところ。青くマークされた箇所には公開されたボーリング柱状図があり、画面上で閲覧することができます。

「地盤情報ナビ」