インタビューは終わったあとが大事

相手はインタビュアーの手元を見ている

インタビューが上手い、とお褒めの言葉をいただくことがあります。

たいしてリズムよく話を進めているわけでもなければ、ウマい相槌をうっているわけでもないのにどうしてだろうと考えると、いつも似たようなシチュエーションであることに気がつきました。

どなたも、私のノートをテーブル越しにご覧になりながら何かおっしゃるのです。

まだ二十代の頃のこと。「この表をもとに質問をしているのだね?」「はい、お尋ね漏れがあるといけないと思いまして」そうすると、その方が黙ってしまわれたので、不安になって「何か失礼を?」とお尋ねすると、「いや、感心していたのです」

インタビュイーは、好意でこちらの質問に答えて下さっています。口に出さぬまでも、聞く側がどれほどの準備をしてインタビューに臨んでいるか、話したことをきちんと理解して、それに即応する問いを発しているか、きちんとノートをとっているか、をじつによくご覧になっているものなのです。

インタビューが終わったあとが大事

インタビューにおいて、もっとも重要な時間帯、それは「インタビューが終わったあと」だと思うのです。

政府高官の記者会見にたとえていえば、会見後、記者相手に軽口をたたく場面です。

それは、インタビュアー・インタビュイー双方ともが肩の荷を下ろし、リラックスしている時間帯。それだけに、場合によっては「ここだけの話」が聞ける機会でもあるのです。

「ここだけの話」を聞かせて下さったある方は、後にこうおっしゃいました。

「本当は、ここまで話すつもりはなかったんだけど。あなたがノートを取り出してペンを構えたから、話してしまったよ。

インタビュアーが話の核心をとらえられずに、淡々とインタビューを進めているケースは少なくないように感じますが、インタビュイーは、それをたしなめる立場にない。

おそらく、適切な質問を用意して来なかったり、用意してきた質問を順に流すようなインタビューをしたら、核心には触れぬまま終わるのがオチでしょう。

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