三つ目のまんじゅうは旨いか?

落語の『三つ目のまんじゅう』という噺。

腹をすかせた男がまんじゅうを食べています。ひとつ食べ、ふたつ食べ、三つ目を食べて、ようやくひと心地ついた男は、こう言いました。

「はじめから三つ目のまんじゅうを食えばよかった」

ビジネス成功本や経営セミナーが大好きな人達の中には、この男のように手っ取り早く三つ目のまんじゅうを口にしたいタイプの人が少なからずいる気がします。

いえ、入門書や入門講座で勉強することを否定しているわけではありません。

入門書は全体理解への早道。私自身、本格的体系書を読んで分からなかったことが、同著者の入門書を読んだら腑に落ちた経験があります。立花隆氏も、新分野の研究をするときは、まず最初に傾向の違った入門書を数冊読むそうです。

ただ、世の中には、「はじめての饅頭入門」といった本を読んだだけの人物が、相手が饅頭の実物を知らないのをいいことに、三つ目の饅頭がいかに旨いかを語るような事例も少なくないように見えます。

そもそも、どんな行動が大成功に結びついたかという「三つ目のまんじゅう」は、どういう背景のもとに、どういう判断を下したのか、判断を下すためにどのような情報収集や考察をしたのかという「一つ目・ニつ目のまんじゅう」抜きに得られても、再現性はないはずです。