毎朝3分・私の新聞の読みかた活かし方8つのポイント

新聞の読み方なんてものは人それぞれ。とくにどんな読み方が正しい、などということもないでしょう。

ただ、私たちの多くは、毎日11紙を1時間20分で読む池上彰さんの真似はできませんし、すべきでもない。彼と違って、新聞を読むこと自体がストレートに仕事に結びつくわけではないからです。

そこで、ここでは私自身が毎朝3分で実践している「きわめてズボラな」新聞活用法について紹介します。新聞はとってはいるけど、あまり読めていない、読んではいるけどあまり活用できている気がしない、という方には参考になるところがあるかもしれません。

なお私は日本経済新聞を購読しているので、以下の記述は日経新聞中心となることをあらかじめお断りしておきます。

1 とにかく一面を30秒眺める

私は毎朝、事務所に出勤するとまずビル1階の新聞受けから日本経済新聞を取り出して、4階にある事務所までのエレベーターの中で、新聞一面の大見出し・中見出しを眺めることにしています。それだけで、その日の主要なニュースは一応つかめます。

さらに横っちょのWORLD MARKETS欄で、前日の日経平均と円・ドルレートを見ておきます。これは、事務所に着いてから新聞のどこを見るかにかかわってきます。

2 破ることが新聞活用の基本

事務所に着くと、新聞をババッと開いて、コレは仕事に関係ありそうだ、ヒントになりそうだ、という記事があれば、ページごと破りとってテジグ(キングジム製)というプラスチックケースに入れておきます。

もちろん、破りとらないページも一応眺めます。気になる見出しがあれば、飛ばし読みすることもあります。たとえば、東京市場で株価が大幅高(大幅安)という記事があれば、証券欄を見て、それがどの産業セグメントに顕著かを確認することもあります。海運や建機などの景気敏感株は、景気に先行して動く傾向が強いので、ここに注目すると、いちはやく先行きが察知できるメリットがあるのです。

持ち運び・参照に便利なテジグ

3 自分に関わりのない記事を眺める

新聞の最大のメリットは、一覧性の高さ。当然自分に関係ない、興味のわかない記事もたくさん載っていますが、その読者個々の興味関心にあわせてキュレーターが選択・咀嚼した情報でないところがいいと思うのです。

でも、日頃問題意識をもっていると、いわゆるカラーバス効果で、自分の関心分野に関係がなさそうでありそうな記事が目に飛び込んでくるようになる。これが大事なところです。

あとでじっくり読みたければ、前述のように破り取っておけばいいですし、そこまで関心がなくても「最近、日経新聞に輸入バター関係の記事がまた出ていたな」とだけ記憶していれば、あとで日経電子版(後述)で検索することも可能です。

4 特集記事は休日にまとめ読み

破り取ってテジグに納めておいた記事は、出先で時間が空いたときに読むこともありますが、その多くは金曜日に自宅に持ち帰り、土日を利用して読みます。連載ものの特集記事などは、日々読むより、こうしてまとめて読んだほうが早いです。

何日か寝かせておくと、読み捨てていい記事とスクラップしておきたい記事の判断がつきやすくなりますから、この時点で必要に応じて記事を切り抜き、余白に日付を記入します。

それから、ささいなことですが、切り抜く前に一応裏面も眺めてみます。「あ、これも大事な記事だ!」ということが意外とあるからです。このような場合は、裏面のコピーをとっておきます。

5 トピカルな記事は次に使う機会を念頭にファイルする

「あ、これはスクラップしておこう!」というときには、多くの場合、どんなときに再び参照するかが頭にあるはずです。

この記事はどこで活きるか?そうそう、この場面で引用しよう!と一瞬考えることで、記憶にフックがかかる効果もあります。

私は、顧問先A社が属する業界やA社からみて供給者・需要者にあたる業界の記事なら「A社支援」のファイルに綴じる、景気動向に関するレポートは、「不動産鑑定・一般的要因」のファイルに綴じる、ブログや話のネタになりそうなものは「五行日記」の左側ページに貼り付ける、というようにしています。

次に「A社支援」のファイルを開いた時には、まっさきにその記事が目に飛び込んでくるというわけです。

そのいずれでもないものは、A4用紙に貼り付けて「新聞スクラップ」のファイルに綴じておきます。用途が明確でないものをこれ以上分類整理するのは無駄だと考えたからです。

じつは、スクラップした記事は、アシスタントに頼んで、スキャンしてEvernoteに格納しているのですが、活用度は決して高くないのが実情です(おすすめしません)。

五行日記の左側ページに貼った記事

6 気になる書評や書籍広告は読書ノートに

新聞の読書欄は、読むべき本を探索する上で、よい情報源です。Amazonは親切すぎて、私の興味ありそうな本しかリストアップしてきてくれませんが、新聞はより広い分野の図書に触れる機会を提供してくれます。

私自身は書評以上に、その下に月イチ(第一土曜日)で掲載される「読書人へのおすすめ」コーナーを重宝しています。

気になる本があると、書評や書籍広告を切り抜いて、「読書ノート」に貼っています。このノートを持って書店に行き、中身を見て購入することもありますし、買うまでもないと判断した本は、公立図書館に購入リクエストしています。

読書面の「読書人へのおすすめ」欄

7 一紙購読の弱点をどう補う?

各紙がTwitterやメルマガで日々配信している記事をみれば、記事の概要がわかります。

この記事は是非読んでおきたい!という他紙の記事があったときは、事務所から徒歩2分の大分市民図書館(コンパルホール分館)に行って閲覧しています。

たとえば、平成27年8月2日読売新聞「安全保障法制・語る」の大石眞京都大学教授のインタビューは良記事だったので、コピー申請しました(過去の新聞は複写サービスが利用できます)。

ただ、地方紙には全国紙にはない威力があることも事実です。たとえば大分合同新聞には、日本経済新聞の地方欄(九州)には網羅できない大分県内のうごきが詳細に報じられており、私ども不動産鑑定士としては、読まないわけにはいかない新聞となっています。

また、訃報欄や異動欄が、きわめて重要な情報価値を持っていることは言うまでもありません。

朝日新聞デジタル

8 できれば宅配プラス電子版の併読を

日本経済新聞の場合、日経Wプランと称して、新聞宅配プラス電子版を宅配料金プラス1,000円で提供しています。

記事検索が可能になることやモバイル端末でどこでも読めること、スクラップの容易性(注)などを勘案すると、紙とウェブの両方で購読するメリットは捨てがたいと思います。

(注)私のように紙面を切り抜かなくても、電子版の記事をワンタッチでEvernoteにクリッピングすることができます。私も最初はそうしていたのですが、これでは記憶にフックがかからず、結局活用度が落ちてしまうので、いまは補助的なスクラップ手段にとどめています。