鉄筋コンクリートの爆裂と露筋

鉄筋コンクリートの性質

鉄筋コンクリートは、圧縮には強いが引っ張りには弱い性質をもつコンクリートを、圧縮には弱いが引っ張りに強い鉄筋を中に入れて補強した構造物です。

これによって、鉄筋コンクリートは圧縮にも引っ張りにも強い強固な構造物となり、同時に強いアルカリ性を示すコンクリートに包まれることで、鉄筋は錆びから守られるわけです。

コンクリートの爆裂と露筋

しかし、コンクリートに含まれる骨材(砂利や砂)の成分の影響や、小さなクラック(ひび割れ)からの水分浸透などがあると、鉄筋は錆びて膨張し、コンクリートを押し広げてクラックを発生させます。このような状態を「爆裂」といいます。

爆裂により発生したクラックは水分浸透を一層促進し、爆裂がさらに甚大化する悪循環が生じます。その状態が進むといよいよコンクリートの表面に鉄筋が露出してきます。このような状態を「露筋」と呼んでいます。

現地調査でみた露筋物件

これまで私が建物の現地調査で遭遇した「典型的な露筋物件」は、いずれも新耐震基準施行(昭和56年)以前の建築でした。

発生原因としては、保守管理を怠ったことはもとよりですが、そもそも構造上コンクリートのかぶり厚さが十分確保されていなかったことが大きく影響しているように感じました。

このように、コンクリート爆裂が進み、露筋を生じている箇所が各所に存するような建物は、崩落の危険があるほか、躯体の見えない箇所にも相当に被害が及んでいると考えざるを得ません。