マッサンがお手本にしたウイスキーとは?

NHK朝ドラ『マッサン』もいよいよ終盤。終戦も間近な雰囲気になってきました(平成27年3月9日現在)。
このドラマの主人公、亀山正春が理想のウイスキーづくりの模範とするのが、架空のウイスキー「ハイランドケルト」。巷では、ハイランドパークがモデルだ、と噂されています。ハイランドパークは、アイランドモルトを代表する銘柄であるばかりか、その味と香りの絶妙なバランスは、スコッチのなかでも屈指のものです。

 

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亀山正春のモデルがニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝であることは周知の事実。竹鶴がハイランドパークを範としたかどうかは知りませんが、後掲参考ブログの主であるRERA氏は、ハイランドパークと余市の共通性を評して次のように述べておられます。

 

『NHKの連続テレビ小説「マッサン」に出てくる、亀山政春が理想とする「ハイランドケルト」というウイスキーは、このハイランドパークが元ではないかと思われます。(中略)確かに、純粋な燻製のようなスモーキーさと甘さ、酸味は余市のモルトに近いものがあり、これにバーボン樽原酒からくるバニラの香りが加われば、余市との区別はつきにくいかもしれません。ドラマの劇中で、理想をハイランドパークだとする演出は案外的を射ているし、これだけのスモーキーを追求したら、当時の日本人はついていけなくても仕方ない気がしてきます。ここら辺は脚本家のリサーチの勝利に思えます。』

実は、私自身は、鑑賞力不足もあってこの評価にまだピンときていません。ノンエイジの余市しか知らないので、12年もののハイランドパークと比較するのは難しいのですが、余市よりハイランドパークの方がより豊かな味わいに思えるのです(その甘さを抑えた燻製を思わせるスモーキーな味わいは、スミレが香るグレンファークラスやカシューナッツやオレンジの芳香を感じさせるグレンモーレンジを好む私とすれば、若干渋すぎる風味と言えなくもないのですが)。

そこで、大分市内のバーの店主お三方に、「朝ドラがらみで、竹鶴政孝がお手本としたウイスキーはハイランドパークではないかと噂なのですが、ハイランドパークと余市を比べてどう思われますか?」と質問してみました。結果は次の通りです。

barA店主
同系統の味だと思うが、ハイランドパークにより深みを感じる。
 
barB店主
余市はハイランドパークを目指したのだと聞けば、素直になるほどと頷ける。
 
barC店主
余市はハイランドパークと同一線上にある味わい。ただ(いくつか理由を挙げて)当時のほうがよりピート香が強かっただろうと推測される。

お三方とも、表現は違いますが、両者の類似性については肯定的です。やはりRERA氏のおっしゃる通りなのでしょう。

それにしても、ピート香というのはもともとウイスキーづくりの過程で「つけた」というより「ついてしまった」もの。それが長期熟成により、樽香とも相俟ってフルーツやナッツや蜜を感じさせる香りに変化するというのは、そこに「神の御業」を感じないわけにはいきませんね。

参考サイト:RERAのウイスキーブログ

<追記1>

私の師匠ともいえる博識のウイスキー愛好家の方にもコメントをいただきました。

『ハイランドパークは、後味にかすかな塩味を感じます。余市はどちらかというとカーデュやグレンロセスに近いと私は感じます。というか、ニッカの商品はこの方向かな?と思います。』

<追記2>

ドラマ『マッサン』でウイスキー考証の監修者をつとめておられるウイスキー評論家・土屋守氏が、ブログで「マッサンのウイスキー」について次のように述べておられます(後掲参考サイト参照)。

これ(引用者注:ハイランドケルト)は架空のウイスキーで、当時竹鶴たちが目標にしたスコッチのブレンデッド、それもかなりスモーキーなものということで、中身はジョニーウォーカー赤ラベルと、それに少量のアードベッグを私がブレンド。

うーん、私は味のイメージがわきません。土屋氏はまた「本来なら、ラガヴーリンやカリラを入れるべきところなのだが…」とも言われています。カリラはジョニーウォーカーの原酒だから、それをブレンドすることでよりクセを強めようという趣向なのでしょうか?

参考サイト:土屋守のウイスキー日和