NHK朝ドラ『まれ』。
ドラマは一度見始めたら、見続けることがほとんどなのですが、 このドラマだけは「今後の展開」がまったく気になりません。
ところで、ダメなビジネスプランというものは、読み手に伝わらない以前に、 プランを立てた者自身が事業の姿をビビッドにイメージできていな いものです。一連のビジネスの流れをストーリー仕立てで語らなければ、それが斬新な商品やサービスであるほど相手には伝わりません。重要なのは、それが「プレゼン技術」の次元にとどまる話ではなく、「自分が漠然としかつかんでいないから相手に語れない」という、ビジネスアイデアの根本にかかわる次元の話である点でしょう。
一連のビジネスプロセスを系統立てて追っていけば、それぞれのステージでやらなければならないこと、そのために解決しなければならない課題が見えてきます。それすら見えていない現実が自覚されないビジネス検討が、実践に役立つことはまずないといってよいと思います。
このドラマも、同じにおいがするのです。脚本家自身が、何を主題に、 何を描こうとしたのか、 もう分からなくなっているのではないでしょうか。
田中泯(他を圧する存在感!)、小日向文世、柳楽優弥といった強力キャラを配しながら、 「何か1本貫くもの」が感じられない、 行き当たりバッタリのエピソードが、ただブツブツと不連続に並べられて いる印象が強いのです。
日刊ゲンダイ記事『迷走朝ドラ「まれ」を救うの は一子役・清水富美加の“出番増”』の主張は一理あります。
(追記)Twitterでは、朝ドラに関する賛否の声が多く飛び交うものですが、「まれ」についてのツイートは、賛否いずれも下火である気がします。ちなみに「ごちそうさん」「花子とアン」は毀誉褒貶相半ば、「マッサン」に関しては評価する声が多かったと記憶しています。