わが家の土砂災害関連情報を知る

4月11日午前4時頃、中津市耶馬溪町大字金吉(かなよし)の梶ケ原地区で、小集落の裏山が高さ100メートル、幅200メートルにわたって崩落しました。

小集落背後の山麓部には、重力式擁壁が設置され、落石防止のネットも施されていましたが、崩落はそれよりずっと上方の斜面中腹、ちょうど自然林から人工林に林相が変わる付近から起こりました。

土砂に巻き込まれた被災者の捜索はいまも続いていますが、16万立方メートルといわれる大量の土砂の搬出には、数カ月から半年かかる見込みとのことです。

この事態をうけ、大分県は、現場周辺の土砂災害の起きる危険性がある急傾斜地67か所を対象に、目視や聞き取りによる緊急点検を実施しました。

(下写真)崩壊現場を正面上空から望む〔写真出所 大分大学減災・復興デザイン教育研究センターウェブサイト

大分大学デザイン教育研究センター

一部報道に混乱か

11日朝のテレビ報道では、「発生現場は、急傾斜地崩壊危険区域指定済であったが、土砂災害警戒区域の指定は受けていなかった」という誤った情報も流れたように思います(私の耳にはそう聞こえました)。

しかしながら、大分県が提供している土砂災害危険箇所情報インターネット提供システムで確認すると、発生現場がほぼ土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)と土砂災害警戒区域(イエローゾーン)の指定範囲である(下図中央、オレンジとイエローで塗られた釣鐘状の指定箇所が崩落部位の形状とほぼ一致する)ことがわかります。

 

土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)と土砂災害警戒区域(イエローゾーン)

土砂災害防止法は、平成13年制定の比較的新しい法律です。土砂災害から住民を守るため、土砂災害のおそれのある区域を明らかにすることを通じ、危険の周知、警戒避難体制の整備、住宅等の新規立地の抑制、既存住宅の移転促進等を促すものです。

災害防除施設設置などのハード対策とは別に、行政の知らせる努力と住民の知る努力の相乗効果によるソフト対策を推し進めようとするものといえます。

土砂災害警戒区域(通称イエローゾーン)は、土砂災害が発生した場合、住民の生命または身体に危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域で、警戒避難体制を特に整備すべき土地の区域です(法7条)。過去の土砂災害による土砂の到達範囲などを勘案して設定されます。後述する特別警戒区域とは異なり、法令上の行為制限はありません。

第七条 都道府県知事は、基本指針に基づき、急傾斜地の崩壊等が発生した場合には住民等の生命又は身体に危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域で、当該区域における土砂災害(河道閉塞による湛水を発生原因とするものを除く。以下この章、次章及び第二十七条において同じ。)を防止するために警戒避難体制を特に整備すべき土地の区域として政令で定める基準に該当するものを、土砂災害警戒区域(以下「警戒区域」という。)として指定することができる。

土砂災害特別警戒区域(通称レッドゾーン)は、警戒区域のうち土砂災害が発生した場合、建築物に損壊が生じ住民の生命または身体に著しい危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域で、一定の開発行為の制限や居室を有する建築物の構造が規制されます(法9条)。

第九条 都道府県知事は、基本指針に基づき、警戒区域のうち、急傾斜地の崩壊等が発生した場合には建築物に損壊が生じ住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域で、一定の開発行為の制限及び居室(建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第四号に規定する居室をいう。以下同じ。)を有する建築物の構造の規制をすべき土地の区域として政令で定める基準に該当するものを、土砂災害特別警戒区域(以下「特別警戒区域」という。)として指定することができる。

急傾斜地崩壊危険区域とは

これに対し、急傾斜地崩壊危険区域は、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律に基づいて、がけ崩れにより相当数の居住者等に危害が生ずるおそれがある急傾斜地と、がけ崩れが助長・誘発されないようにするため、切土、盛土など一定の行為を制限する必要がある土地で、都道府県知事が指定した区域です(法3条)。

土砂災害警戒区域や土砂災害特別警戒区域とは根拠法令を異にしますが、指定基準に類似点が多いため、重複して指定されていることもしばしばあります。

急傾斜地崩壊危険箇所・山地災害危険地区・土砂災害危険箇所

また、これと名称が似たものに、急傾斜地崩壊危険箇所と山地災害危険地区があります。
急傾斜地崩壊危険箇所は、平成13年に実施された「急傾斜地崩壊危険箇所調査」の結果によるものです。

山地災害危険地区とは、山地からの山腹崩壊、地すべり及び土石流等により災害が発生するおそれがある地区で、林野庁が定める調査要領に基づき判定したものです。各危険地区は、林野庁の「山地災害危険地区調査要領」により設定されています。

また、土砂災害危険箇所とは、国土交通省の調査要領・点検要領により都道府県が実施した調査で判明した、土石流、地すべり、急傾斜地の崩壊が発生するおそれのある箇所の総称です。

おわりに

前述の通り、土砂災害防止法は、行政の知らせる努力と住民の知る努力の相乗効果で住民を守ろうとするものです。

土砂災害危険箇所情報インターネット提供システムなどを活用し、ご自分の住む地域について提供されている情報をご確認されることをお勧めします。

その際、土砂災害警戒区域等が色で表示された個所をクリックすると、土砂災害危険箇所番号等がフキダシで表示され、さらに公示図書(青字)の文字をクリックすると、詳細な指定図表が表示されます。